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【映画】ゴッホ 〜最期の手紙〜 (原題:Loving Vincent)【あらすじ & 感想】

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今日は六本木シネマズで映画「ゴッホ〜最期の手紙〜」を観てきました。

世界初、全編が動く油絵で構成される映画です。ゴッホの絵に入り込んだような気分になれます。何を言っているか分からないと思うので、予告編をごらんください。


映画『ゴッホ ~最期の手紙~』日本版予告編

 

この映画は、まず俳優たちが役を演じる実写映画として撮影されました。そののちキャンバスへ投影されて、125人もの画家たちの筆で油絵になったそうです。本編の1秒は12枚の油絵を撮影したもの。映画には62450枚の油絵が使われたとか。

製作者が「最大の課題は、このプロジェクトが実現可能だと信じてもらうことだった」とコメントしていますが、そりゃそーだろー!10分程度の短編映画ならまだしも、長編映画を油絵で構成するとなると、いや無理だろ!って誰しも思いますよね。

 

その無理を現実にしたこの映画、観に行って本当によかったです。悲しみや怒りや愛情の根底にある「感情の根っこ」を鷲掴みにされるような映画でした。

 

ゴッホ 〜最期の手紙〜 あらすじ

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By フィンセント・ファン・ゴッホ - bgEuwDxel93-Pg at Google Cultural Institute, zoom level maximum, パブリック・ドメイン, Link

 

映画はゴッホの死後1年経ったところから始まります。生前ゴッホは、弟のテオに毎日手紙を書いていました。郵便配達夫ジョゼフ・ルーランとは、自然に親しくなります。ゴッホの死後に、最後の手紙を見つけたルーランは、その手紙を投函しますが、宛先不明で帰ってきてしまいます。そこでルーランは、テオを探し出して手紙を渡すよう、息子のアルマンに頼みます。

 

アルマンは「今さらそんなことをして何になる」とゴネるのですが、ルーランに「もしお前が死んだ後に、わしに宛てた手紙があったなら読みたいと思う。わしが死んだ後にお前に宛てた手紙があったら、お前はどう思う」と問われて、手紙を届ける気になります。

 

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アルマン・ルーランの肖像

By フィンセント・ファン・ゴッホ - The Yorck Project: 10.000 Meisterwerke der Malerei. DVD-ROM, 2002. ISBN 3936122202. Distributed by DIRECTMEDIA Publishing GmbH., パブリック・ドメイン, Link

 

しかしパリでアルマンは、ゴッホが手紙を宛てた弟のテオが、既に亡くなっていることを知ります。せめてゴッホの最期を看取った主治医ガシェに手紙を渡そうと、オーヴェルの農村に向かうアルマン。ゴッホの手紙を渡すための旅は、その宛先をたどるうちに、次第に彼の死の真相を探る旅にもなっていきます。

 

この映画のアオリに「ゴッホの人生に迫る圧巻の体験型アートサスペンス」とあって、最初読んだときは何だそりゃと思ったのですが、この映画は一級のサスペンス映画でもありました。

 

アルマンはオーヴェルの農村でゴッホと関わった人々に、彼の死因にまつわる話を聞いて回ります。しかし、全ての証言が食い違う。

宿屋の娘は「ゴッホが自殺したときに使った銃ははガシェのものだ」といい、

ガシェの家政婦は「宿屋のカウンターにいつも置かれていた銃だ」と言う。

貸しボード屋は「ガシェの娘とゴッホは付き合っていた」といい、

ガシェの娘は「挨拶する程度の仲でしかなかった」と言う。

一人の医師は「ゴッホは自殺した」といい、

もう一人の医師は「ゴッホは撃たれた」と言う。

愛情は憎しみに裏打ちされ、羨望は軽蔑に上塗りされ、諦念と希望が入り混じる。誰もがゴッホに何らかの感情を持っており、それは一言で表せるものではない。そして誰もが自分の感情のフィルターをとおしてゴッホを見ており、たった一つの真実を語れるものは誰もいない。

 

物語の終盤に、やっとアルマンは医師ガシェから、ゴッホの死について聞くことができます。しかしそれは「ガシェが真実と信じているだけの話」であり、「ゴッホの死の真実」は謎のままです。芥川龍之介羅生門みたいな展開でした。

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医師ガシェの肖像

By フィンセント・ファン・ゴッホ - 不明, パブリック・ドメイン, Link

 

ゴッホ 〜最期の手紙〜 感想

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ゴッホの自画像

By フィンセント・ファン・ゴッホ - 写真: Szilas, パブリック・ドメイン, Link

 

ゴッホの死の真相は未だに謎ですので、こういう物語になるのは必然かと。アルマンが農村についてからの展開は、謎が謎を呼ぶサスペンスタッチでハラハラしました。登場人物の感情のやりとりも、緊張感があって、非常に見応えがありました。

 

この映画は油絵で構成されているので、人々の複雑な感情が実写より一層強く激しく感じられました。目を離せなくなるくらい強い力を放つ絵画ってありますよね。あんな感じ。

 

そしてこの映画で表される感情の中で、もっとも強く感じるのは「孤独」です。この映画のテーマの一つです。ゴッホの人生は孤独なものでした。絵を描いている時に、彼のパンをカラスがついばんでいるのを見て、ゴッホは微笑んでいました。貸しボード屋の主人は「あんな薄汚いカラスに慰められるとは、なんて孤独な男なんだ」と後に述懐します。聞いただけで胸が痛くなるくらい孤独です。

 

その一方で「孤独を超える何か」が感じられる映画でした。

 

監督のドロタ・コビエラのインタビューに、「孤独を超える何か」のヒントが読み取れます。少し長くなりますが、パンフレットから引用します。

彼の作品以上に私が愛しているのは、私に影響を与えた彼の生き方です。私は人生をとおして鬱と闘ってきました。そして、フィンセントが同じように大きな人生の挫折から20代という若さで再起し、芸術を通して世界に美をもたらす道を見出したことに感銘を受けました。彼の手紙はどん底にあった私を救い、この映画を作るきっかけをくれたのです。

大きな挫折を経験して絶望の底にあっても、人の心を救うものがこの世界には確かにある。そしてそれはゴッホの絵に、その人生に表されている。 そんな風に私は読み取りました。

 

見終わった後、心のなかに深い何かが残る映画です。ぜひぜひ映画館でご覧になってください!

わたしは2回も映画館で見ました。2回目はストーリーが分かっているので、より絵画の魅力に浸ることができました。2度見もオススメです。

   

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