20代社会人がアラフォーの氷河期・ロスジェネ世代にあたる先輩を怖がっているという記事を読みました。
要約すると
- アラフォーの氷河期・ロスジェネ世代は、自分が新人のときに厳しく育てられたので、新人にも厳しく接してしまう。
- 20代の若手社員は厳しくされるとションボリしてしまう。
- 氷河期・ロスジェネ世代は、プレイヤーからマネージャーにシフトして若手社員に優しく指導できるようになろう。
わたしも氷河期・ロスジェネ世代ど真ん中ですが、この結論には違和感をおぼえます。氷河期・ロスジェネ世代に必要なのは、マネジメント能力なんかじゃなく、変化できる能力では?と思ったので、このエントリにまとめておきます。
老害化する氷河期・ロスジェネ世代
20代に怖がられている40代。それはかつてのプレイヤーが、老害化しつつある姿でもあります。老害は知識と経験を武器にして人を殴ります。これは一つの場所に長くいて、既得権益を手にしているから可能なのです。
既得権益にしがみつく人は、自分の経験が時代遅れになりつつことに気づいていません。新人に「人の倍」働くよう求めること、質問に答えず「自分で考えて」と突き放すこと。どう考えても効率の良い働き方じゃないですよね。
生産効率を高くすれば長時間労働なんかしなくていい。新人をキチンと教育すれば、早く一人前になってくれるので、自分もチームも楽になる。
既得権益にしがみついていると、変化が怖くなります。そして自分の経験が最上と考え、若手にも同じことを求めます。これが老害化です。
報われぬ氷河期・ロスジェネ世代
いやいや、今の若いヤツは使えないんだよ!厳しく接するしかないんだよ!と思う人がいるかもしれません。
不都合な真実ですが、使えない若いヤツしかいないユーの会社は、優秀な若者にスルーされるレベルの会社ということです。ちきりんさんが言ってました。
「最近の若者はすごい!」と思える人は、いい会社、可能性の高い分野で働いてます。「最近の若者は全然ダメ!」と感じてる人ってのは、「イケてる若者には選んでもらえていない分野や会社」で働いてる人だってこと。
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) 2018年3月25日
最近の20代って優秀な人は優秀ですよ。デジタルネイティブだから情報処理能力が40代より全然高いし、フットワークも軽い。なぜか分かりませんが、優しい子が多いです。大事に育てられたからですかね。
一方で彼らは大変ドライです。優秀な人ほど上司から盗めるものは盗んで、とっととオサラバします。
怒れる40代とおびえる20代が組み合わさると、「40代が20代を詰める ⇒ 得るものがないので20代が会社辞める ⇒ 会社が人材不足でブラック化する ⇒ 転職できない40代が苦しむ」という流れになります。40代さらに損してるじゃん。
氷河期・ロスジェネ世代はどこまで報われないのでしょうか。。。
氷河期・ロスジェネ世代が取るべき戦略
人生80年時代であれば、40歳から60歳定年までゆるやかに老害化し、定年後は年金・退職金でゆうゆう自適な生活を送ることが出来ました。
しかし、今や人生100年時代。キャリアは25歳~50歳、50歳~75歳、75歳~100歳の3つのパートに分かれるとまで言われています。40代は50歳でのキャリアチェンジに備えて、準備を始めるべき年齢なのです。老害化している場合じゃないです。
40代はプレイヤーからマネージャーにシフトする時期。確かに今までキャリアを築いてきたフィールドではそうでしょう。
しかし新しいフィールドでプレイヤーになるために、学び始める時期でもあるのです。そのとき必要なのは、変化する能力。もしかしたら、年功序列が崩壊した会社に転職したら、優秀な20代が上司になるかもしれません。このような場合に、素直に教えを乞える人は、変化する能力が高いと言えるでしょう。
若者に恐れられていると感じたら、それは自分が老害化し、時代の流れに取り残されているサインです。やるべきことは、マネジメント能力を付けることではなくて、変化する能力を高めること、新しいフィールドへ軸足を少しずつ動かすことです。
新しいフィールドに踏み出すときは誰でも不安です。でも、そんな感情も楽しみながら変化していきましょう!ひとつのところにしがみついて、何もココロが動くことがない毎日を送るより、きっと面白いはずです!