私は長らくシステム開発に携わっており、ベンダー側、ユーザ側の両方を経験したことがあります。
ユーザ側のシステム開発部門に身を置いてみて痛感したのは、ユーザ側がベンダを使うのは難しいということです。ユーザ側はベンダ側に「お金を払ってるんだから、いい感じにシステム作って納入してよ」って丸投げしちゃうことが多いんですね。
また、ベンダ毎に仕事の仕方が違うので、ユーザ側にノウハウが蓄積されにくいという問題もあります。
今回は、このようなユーザ側のシステム開発のノウハウが上手くまとめられた書籍を紹介します。
システム開発のベンターコントロールに失敗しない方法
ユーザー側はなぜベンダーを使うのが難しいの?
まず、システム開発はベンダ側に丸投げして上手くいくことは絶対にありません。システムが出来上がるまでの過程において、ユーザ側、ベンダ側両方でやるべき作業が複雑に絡み合っています。お互いの責任をきちんと理解して、協力していかないと絶対にうまくいきません。
しかし、ユーザ側はシステム開発に関する知識がないので、ベンダーにお任せしてしまうんですね。法外に高いシステム開発費用を払わされたり、受け入れ試験で要求事項の対応漏れが発生したりとトラブル発生の種がつきません。
「金払ってるんだから、いい感じに仕上げてくれよ」って意識を持っている限り、ユーザ側がベンダーをうまく使うことはできません。
ユーザ側がベンダー並みにシステム開発に関する知識を有していれば問題ないのですが、現実的じゃないですよね。
システム開発のベンターコントロールノウハウ本!
そこで、ITベンダーを上手くコントロールして、システム開発プロジェクトを成功させるための参考になる本をご紹介します。
田村昌平さんのシステム発注から導入までを成功させる99の法則です。
田村さんはもともとITベンダーからコンサルタントに転身し、ユーザ側の支援をするようになってから、ユーザ側のシステム開発ノウハウの蓄積がされてないことに気づいたそうです。
ベンダー側のミスなら数十万円のバグ改修費用で済みます。しかしユーザ側の要求に間違いがあれば数百万、数千万の損害が発生します。ユーザ側の支援が、プロジェクトの今回を支える。そういう思いから、この本は生まれたそうです。
本の章立ては以下になります。
システムの企画提案〜ITベンダー選定までのルール
プロジェクト立ち上げ〜要件定義までのルール
ユーザー受入テスト〜システム検収までのルール
ユーザ教育〜システム本稼働までのルール
システム運用・保守のルール
システム企画から運用保守までのユーザ側のノウハウをまとめた本は、私が知る限り本書以外にありません。ベンダー側の本はたくさんあるんですけどね。
本やネットでユーザ側のノウハウについて入手できないのも、ユーザ側のシステム開発に関するスキルが向上しづらい一因になっていると感じます。
まとめ
システム開発そのものに関する知識がなくても、大丈夫です。この本に書かれているノウハウをマスターすることができたら、すくなくともベンダー側に「なめられる」ことはなくなるでしょう。
あなたの担当プロジェクトがうまくいきますように!