この記事では44歳の男性銀行員の方が、初転職で異業種に転職した体験談をまとめます。この方は未経験でも、金融以外の業界に無事転職することができました。銀行員からの転職を考えている人の参考になれば嬉しいです。
この記事はこんな人のために書かれています
- 銀行を辞めたいけど、待遇が良いので踏み切れない人
- 銀行から異業種に転職したい人
- 40代の銀行員で転職を考えている人
この記事ではこんなことが分かります
- 銀行で働き続けるリスク
- 銀行員から異業種への転職を成功させる方法
- 転職エージェントを利用した銀行員の転職方法
- 【体験談】40代の男性銀行員が初転職で異業種に転職成功!未経験でも転職できた理由は?
- 転職者のスペック
- 転職ビフォーアフター
- 銀行員として新卒から勤続22年
- 銀行の待遇には非常に満足していた
- 転職を考えたきっかけは、いきなり地方転勤を命じられたこと
- 転勤先の仕事はあまりにも過酷だった。家庭にも悪影響が。
- 仕事のストレスで耳が聞こえなくなる
- 転職を考えて、転職サイトで情報収集をはじめる
- 転職エージェントに登録して、相談してみる
- 転職活動を始めたが、初転職・専門スキルなしが大きな壁に
- 長引く転職活動に気持ちが折れて、転職エージェントと再び面談
- 自分が本当にやりたい仕事に的を絞って転職活動し、無事内定を獲得!
- 転職した後は年収ダウン、仕事のやりがいはあり、専門スキルが身についた
- 転職してプライベートの満足度が上がった
- これから銀行員からの転職を考える人へのアドバイス
- 40代でも未経験の異業種に成功できた理由は?
- まとめ 40代の男性銀行員が初転職で異業種に転職成功した話
【体験談】40代の男性銀行員が初転職で異業種に転職成功!未経験でも転職できた理由は?
転職者のスペック
年齢 | 44歳 |
家族構成 | 妻と子供一人 |
最終学歴 | 明治大学 |
転職ビフォーアフター
転職前 | 転職後 | |
年収 | 800万 | 650万 |
やりがい | なし | あり |
成長実感 | 少ない | 多い |
将来性 | 低い | 高い |
銀行員として新卒から勤続22年
銀行員として新卒から22年間働いてきました。銀行では大体2年から5年の間に部署間の移動があります。ですので、22年の間に色々な仕事に携わりました。長かったのは銀行窓口向けのマニュアル作成や、総務部で各部署の事務作業の取りまとめなどです。正直やりがいを感じる仕事は少なかったです。銀行組織は年功序列で、上の言うことは絶対です。自分で工夫して何かやろうとすると、「前例がない」といって必ずつぶされます。
だんだん言われたことだけやるように、そこから外れないようにって考えるようになってしまうんですね。でも、そんな中で唯一おもしろかったのは、人事部での人材育成業務ですね。珍しく上司が理解ある人で、私の考えも尊重してくれて、アイディアをどんどん形にしていくことができました。残念ながら、その仕事は1年半くらいで終わってしまいましたが。
銀行の待遇には非常に満足していた
銀行の待遇には非常に満足していました。44歳の時点で年収は800万円以上ありましたし、土日祝日は休み。有給休暇も全部取ることができました。残業も繁忙期で月にせいぜい30時間程度で、残業代もきっちり出ました。また福利厚生もたいへん充実していました。社宅を月三万程度で使用することができたので、家賃も助かりましたしね。仕事はつまらないけど、待遇には満足していたので他に移るつもりはありませんでした。
転職を考えたきっかけは、いきなり地方転勤を命じられたこと
転職を考えたきっかけは、ある日いきなり地方転勤を命じられたことです。あの時は、頭の中が真っ白になりました。何も考えることができず、ただ機械的に目の前のことをこなしていくだけでした。他の銀行どうかわかりませんが、私が勤めていた銀行は、転勤を言い渡されたら、2週間以内に転勤先に引っ越さないといけないんです。ろくに準備をする暇もありません。年度末の引っ越しが多い時期だったので、引っ越し業者もなかなか見つからず、結局は身の回り品だけ持って転勤先に行くことになりました。
転勤先の仕事はあまりにも過酷だった。家庭にも悪影響が。
転勤先は縁もゆかりもない地方の小都市でした。東京から遠く離れて友人も知り合いもおらず、土地勘も全くない場所でした。子供が小学校に入学したばかりだったので、家族を連れてくることができず、単身赴任での仕事になりました。仕事内容もとてもハードでした。今までやったことない営業職で、引継ぎもほとんどなくノルマが非常に厳しかったんです。しかもノルマが達成できないと、上司にみんなの前で叱責されるんです。
地方転勤になったことで、東京に住んでいたころの手当が色々削られてしまい、家に入れるお金が減りました。この頃は妻と毎晩電話でケンカをしていました。しかも電話の向こうで子供が泣いてるのが聞こえるんですよ。もう本当に毎日どうしていいか分からない日々でした。
仕事のストレスで耳が聞こえなくなる
何とか仕事についていかなければならないと思い、毎日夜遅い時間までがんばりました。休日も返上して、お客様の接待です。東京に住んでいたころはペーパードライバーだったのですが、100Km以上運転してお客様へのご機嫌伺いをすることもありました。地方の転勤先で成果を出して、早く本社に戻りたかったので、目の前の仕事に精いっぱい取り組もうとしていたんです。
しかし体は正直なものです。ある日、耳が聞こえなくなってしまいました。お客様と電話をしていて、急にお客様の声が全く聞き取れなくなったのです。私は「お電話が遠いようなんですけど」と大きな声で何度も繰り返しました。それを聞いていた同僚が、受話器を私の手からもぎとりました。同僚が受話器に向かってパクパクと口を動かしているのを見て、「ああ、私の耳がおかしいんだ」と気づかされました。転勤して3ヶ月ほど経った頃でした。
転職を考えて、転職サイトで情報収集をはじめる
地方転勤が銀行で昇格するためのテストであることは分かっていました。ここで潰れたら本社に帰っても飼い殺しになる。だから逃げるわけにはいかない。そう思っていました。しかし、妻に耳が聞こえなくなった件をメールで伝えると、「お金より出世より、あなたの健康が一番大切なのだから、銀行なんか辞めてほしい」と返信がありました。
実を言うと、その頃には小学一年生の子供が不登校になってしまっていたんです。恐らく私が単身赴任になったことと、毎晩電話口でケンカしていることが、子供のストレスにもなってしまったのでしょう。そんな状況なのに私の健康を気遣ってくれる妻。これ以上妻には負担をかけたくない。銀行で働き続けて年収と社会的なステータスを保つことが家族を守る方法だと、私はずっと思っていました。でも私の人生も家族の人生も、この会社で働き続けていたら壊れてしまう。何としてでもこの状況から抜け出して、妻と子供の三人で幸せに暮らせる方法を見つけなくてはと思いました。
そう考えて、私は転職を決意しました。まずはどんな仕事があるか見てみるつもりで転職サイトに登録しました。情報収集がてら登録しただけでしたが、自分のスキルが活かせるのでではないかと感じる仕事がいくつかありました。
転職エージェントに登録して、相談してみる
はじめての転職だったし、相談できる人が誰もいませんでしたので、転職エージェントに登録することにしました。住んでるところが地方なので、転職エージェントの最初の面談はSkypeで実施しました。私が登録した転職エージェントは、【リクルートエージェント】、【DODA】 、【@type転職エージェント】の3社です。紹介してくれた求人数は、【リクルートエージェント】が1番多かった多かったです。【@type転職エージェント】は親身に話を聞いてくれましたが、いかんせん若干求人が少ない気がしました。【DODA】 は担当者と相性があまり合わず、紹介される求人もあまり魅力的なものがありませんでした
転職活動を始めたが、初転職・専門スキルなしが大きな壁に
地方在住での転職活動だったので、企業との面談の日程調整が難しかったです。でも転職エージェントに間に入ってもらうことで、スケジュール調整をしながら転職活動を進めることができました。しかし転職は厳しいとすぐに思い知らされました。まず書類が通らないんです。転職エージェントに何回か添削してもらって、ポツポツ一次面接に進めるようになったのですが、そこから先に全く進めない。
面接で今までやってきたことを説明するのですが、やってきたことが取りまとめだけなので、実際の作業で手を動かした経験がほとんどないんです。だから深いことを突っ込まると、回答できないですよね。専門スキルがない人間とみなされて一次面接から先に進めませんでした。
長引く転職活動に気持ちが折れて、転職エージェントと再び面談
地方在住のまま3ヶ月のあいだ転職活動続けましたが、一次面接落ちばかりでした。さすがに気持ちが折れて、再び転職エージェント面談をしました。それまでは、自分がやってきたことをベースに考えていました。しかし、転職で自分が本当に実現したいことは何か、もう一度深く掘り下げて考えてみたのです。
私は学生の頃は教育学部で、人に教えることに非常に興味を持っていました。会社に入ってから一時期、人事部での人材育成業務に関わり、研修プログラムを考えるのが非常に楽しかったのを思い出しました。人材育成の仕事に携わりたい、そんな気持ちが芽生えてきました。
自分が本当にやりたい仕事に的を絞って転職活動し、無事内定を獲得!
会社の規模や年収も、前職と同等かそれ以上であることにこだわっていましたが、そのこだわりも一度捨てることにしました。社会人向けの人材育成業界に的を絞って、転職活動を行いました。自分でも驚いたのですが、3つの会社から内定を頂くことができました。未経験の業界でしたが、自分のやりたいことを本当に掘り下げて考えたこと、コミュニケーション能力・段取り力などのポータブルスキルをアピールできたのが、転職に成功した理由だと思います。
転職した後は年収ダウン、仕事のやりがいはあり、専門スキルが身についた
転職した後は、年収が下がり、650万程度になってしまいました。しかし新しい職場では、非常にやりがいのある仕事ができていますし、専門的なスキルが身につきつつあります。一番うれしいのは、優秀な若手の方たちと働けることです。以前の銀行だと「最近の若い者は。。。」と口癖のように言っていましたが、今の職場は若い人に教えてもらうことばかりです。この年で切磋琢磨できる環境に身を置くことができて、ほんとうにありがたいと思っています。何より成長実感があるので、職場で働くのが楽しいんです。
自分は40代ですが、新しい分野でまだまだ成長できそうだと感じています。また転職した会社そのものも、勢いがあり将来性があるので、一緒にどんどん前に進んでいきたいです。
転職してプライベートの満足度が上がった
転職してプライベートでの満足度も上がりました。まず家族と一緒に暮らせるようになったことが大きいですね。今の会社は転勤がないので、いきなり地方への異動を命じられることもありません。毎日職場でめいっぱい働いて、家に帰って家族みんなであったかいご飯を食べられる。小学生の子供が、今日学校であったことを楽しそうに話してくれる。
年収は下がったし、会社のネームバリューも前職とは比べ物になりません。でもそんなことより、毎晩子供の笑顔を見られるようになって幸せです。妻もパートに出て家計を助けてくれるようになりました。以前より夫婦二人でしっかり協力しあうことができています。今となっては転勤を言い渡されたのも、自分の人生を見直す良いチャンスだったのかもと思います。あのまま年収や社格に囚われて銀行にしがみつづけていたら、何の専門スキルも身に着かず、ますます転職が難しくなり、最終的には家庭生活も崩壊していたかもしれません。
これから銀行員からの転職を考える人へのアドバイス
私の場合は40歳を過ぎてはじめての転職だったこと、専門スキルが無かったことから、転職活動が長引いて苦労しました。いま銀行にいる人は、このまま仕事を続けて専門スキルを身に着けることができるのか、考えたほうがいいと思います。何の準備せず、私のように必要に迫られて転職するはめになると、非常に苦労することになります。
銀行はやっぱり規制に守られているし、大企業ならではの弊害もあって、どうしても細切れの作業しかできません。広く浅くになってしまいます。銀行は専門スキルが身に着きにくい状況であることを、早めに自覚できるかどうかが、転職が上手くいくかどうかの分かれ道ではないでしょうか。
今すぐ転職するつもりがなくても、自分の職務経歴書を作成してみることをお勧めします。意外と書くことがなくてビックリすると思います。自分のスキルはどんなものがあるのか、銀行以外で活かせる経験は何なのか、普段から整理しておくと良いでしょう。そしてあなたの職務経歴を見て、あなたを欲しがる会社があるかどうかを、転職エージェントに相談してみるのもいいと思います。
40代でも未経験の異業種に成功できた理由は?
<40代過ぎで未経験での異業種への転職は、非常に難しいことは知っていました。でも自分がやりたいことがハッキリしていたこと、企業へのアピール方法を転職エージェントに何度も相談したのが、転職に成功した理由ですね。最初は自分が経験してきたことで、希望業種とリンクするところなんてほとんどないから無理かなと思っていました。
しかしリクルートエージェントと再面談したときに、私のポータブルスキルの棚卸しをしてくれて、それを希望業界の求人内容とリンクしてくれたんです。それがとても助けになりました。また転職エージェントには企業ごとに職務経歴書や面接のスクリプトを添削してもらえました。面接前後に電話で綿密に打ち合わせを行って、面接に関する情報をもらったり、私が企業に伝えきれなかったことを転職エージェント経由で伝えてもらったりしました。
自分ひとりでは到底ここまでたどり着けなかったと思います。まさに転職エージェントと二人三脚で転職活動を進めました。
まとめ 40代の男性銀行員が初転職で異業種に転職成功した話
40代で初めて銀行から転職した男性のお話でした。いきなりの転勤でノイローゼ寸前になり、転職活動を始めるたのこと。最初は転職活動がうまくいかなかったけど、自分がやりたいことと、ポータブルスキルを棚卸しすることで、異業種への転職に見事成功されました。
この方がおっしゃる通り銀行員は専門スキルを身に着けづらいので、いきなり転職活動を始めると苦労します。転職市場にどんな求人があるか、どんなスキルが求められているのか、まずは転職サイト【リクナビNEXT】に登録して情報収集をしてみることをおススメします。
今すぐに転職するつもりはなくても、自分のスキルと転職市場で求められるスキルのギャップを知ることができます。そのギャップを埋めていく努力を日々行っていれば、いざ転職活動をするときにスムーズに事が進むでしょう。
実際に転職活動を行う際には、転職エージェントを使ったほうがよいです。転職エージェントは転職市場を熟知していますし、企業側とのパイプも持っています。自分ひとりで転職活動を行うより、効率的に内定獲得することができますよ。【リクルートエージェント】、
【@type転職エージェント】、【マイナビエージェント】
、【DODA】
などの大手の転職エージェントなら、どこもほぼ同等のサービスを受けることができます。また転職エージェントの利用は完全に無料です。実際に転職まで至らなくても、相談だけでも大丈夫ですよ。どんどん有効活用しちゃいましょう。
あなたの転職活動がうまくいきますように!